今後成長していくテナントは?どのような業種が伸びるのか?

コロナウイルスの影響により飲食店などは苦境を強いられています。
営業自粛、営業時間の短縮などにより売上が激減して撤退する企業も多いです。
そのような中で、商業リーシングの観点からは、今後成長していくのはどのようなテナントか、どのような属性の営業形態かということを考える必要があります。
今回はコロナウイルス中でも伸びている業界の属性や、今後成長していくであろう営業形態を取り上げてみました。
スーパーやドラッグストア

コロナウイルスの影響により感じたことは、「衣食住」の中でもやはり食料品の小売業は堅調なニーズを抱えているということです。
飲食店なども同じく「食」に関する業界ですが、生活の中で不要不急に当たらないとされるケースがほとんどです。
しかし、現在の生活において、例えばスーパーはなくてはならないものです。
スーパーがなくなってしまうと、食料品を買う店がなくなり生活に支障をきたします。
また、食品とともに医薬品も扱うドラッグストアは大きな存在です。
コロナウイルスによって、食料品と医療が現在の生活を支えているということがわかりました。
そのため、スーパーやドラッグストアなどは、コロナ禍のあとも、成長を見込まれる業種だといって良いでしょう。
空間に価値があるテナント

では、食品と医薬品を扱っていない店舗は必要ないのでしょか?
コロナウイルスの影響のもとでも、売上を伸ばせている飲食店があります。
お笑い芸人「キングコング」の西野さんが経営している「スナックキャンディ」もそのひとつです。
コロナウイルスの影響によりスナックや、居酒屋などは売り上げが激減しました。
もちろん「スナックキャンディ」も営業自粛を余儀なくされましたが、視点を変え「スナックキャンディ」の店舗を貸し出すという方法により売上を伸ばしています。
西野さんは絵本作家でもあり、西野さんが手がけた「えんとつ町のプペル」という作品は累計発行部数40万部を超えています。
「スナックキャンディ」は「えんとつ町のプペル」の世界観で作られており、提供する食べ物や飲み物でなく空間自体に価値があるのです。
そのためスナックを営業していなくとも、空間自体を使いたいというファンが多くいます。
コロナウイルスの影響により、多くの方で空間を共有することはできませんが、親子や家族で空間を借りて楽しい時間を過ごしているのです。
「スナックキャンディ」は今では予約でいっぱいになり予約が取れない状況です。
今後は目線を変えてテナント誘致をする必要がある

「スナックキャンディ」の例をみると、目線を変えてみれば売上を維持もしくは伸ばせるチャンスはあるとわかります。
コロナウイルスが終息したとしても、今後またいつこのような事態になるのかはわかりません。
もちろん今後もそういったことを想定して経営していかなければなりません。
そのため、今後成長するテナントの属性としては、「スーパーやドラッグストアなど現在の生活にはなくてはならないもの」、「一つの物事の価値観にとらわれないもの」ではないのでしょうか。
今後は、日常のあらゆるシーンでのオンラインのショッピングが進み、商品によってはオンラインが主、オフラインが従となるケースがどんどん増えてくると考えます。これまでのように、オフラインの売り上げをメインとして、オンラインをその補完と考えるのではなく、場合によっては、オンラインがメインとして、その補完機能としてのオフラインセールスの場としての店舗の意義を再構築していく流れが加速すると思われます。
その流れの中で、不動産オーナーとしても単なる場の提案以上の、付加価値提案が要求される可能性が出てきますし、より一層の企業努力が必要となると考えます。