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時にはデメリットも!?小売業績とインバウンド効果の関係性について

東日本大震災以降、国は観光立国の復興へ向けて訪日外国人の数を増やす政策に力を入れて、それは小売業界にとって追い風となる出来事です。

小売業の一部ジャンルでは『インバウンド効果』によって小売業績の右肩上がりが実現。

小売業績とインバウンド効果はどのような関係性にあるのか、また時にはインバウンド効果が発揮されない事象についても解説していきます。

インバウンドとは

日本語のインバウンドは、英語の『inbound(「in」+「bound」)』より派生していて、日本では「訪日外国人」または「外国人の日本旅行」という意味で使われていることが多いです。

また小売業界ではインバウンドに『効果』をつけて訪日外国人がモノを購買した時に落としてくれるお金という意味で【インバウンド効果】というワードが使われています。

小売業績の予想に組み込んでいる企業もあるくらい浸透しているほどで、元々は旅行業界が使っていたインバウンドというワードを自分たちになじみのあるような形に組み替えたとされています。

インバウンド効果は小売業績にも反映される

日本人が買い物をするだけの国内消費だけだと業績が伸びないので、訪日外国人を頼みの綱として商品を買ってもらうことによって活路を見出している企業もあります。

例えば、免税店を営む企業の場合、訪日外国人に免税の対象となる家電製品やブランド物の服などの一般物品とお酒やマスクなどの消耗品を定められた範囲内で買ってもらうことで利益につなげており、消費税などがかからないのでその分購入意欲も高まるのです。

また観光庁では訪日外国人がどのようなモノを購入するのかデータを収集して、そのたびに政策を変えるなどの対応をとっており、インバウンド効果を高めるようなやり方をとっています。

参考資料:観光庁 訪日外国人の消費動向

https://www.mlit.go.jp/common/001230775.pdf

インバウンド政策を重視した結果、発生した負の事象

この先のインバウンド効果は2020年夏の東京オリンピックに向けてピークを迎えるだろうと予測されています。

しかし、東京オリンピックが始まる前にインバウンド効果が薄れてしまう懸念が浮上。

その主な事象について解説していきます。

日韓関係の悪化により韓国人観光客が減少

2019年に日本と韓国は戦後最悪と言われるまでに関係が悪化してしまいました。

その結果として訪日韓国人の数が激減してしまい、九州を中心に観光業や小売業などに様々な悪影響を及ぼしました。

中には売り上げが前年比と比べて90%も減少してしまった企業があり、インバウンド効果に頼っていた結果、負の側面の大きな影響を受けてしまったわけです。

新型コロナウィルス騒動により中国人観光客が減少

中でも韓国人より日本へのインバウンド消費という形でお金を落としてくれる中国人が新型コロナウィルス騒動によって団体旅行のツアーなどが取りやめになってしまったことがインバウンド消費の大きな落ち込みにつながっています。

中でも一部小売業種では大きな影響を受けており、中国人が多く訪れる観光地のお土産屋さんなどでは売り上げが前年比の半分以下になってしまったところがあるのです。

観光庁のデータからも中国人によるインバウンド消費が大きく、そこの消費額がゴッソリ抜けてしまうことによる影響は多大で、今後のインバウンド政策の見直しにつながるでしょう。

具体的には、いわゆる爆買いに頼らない強い観光業を作るための、アジア圏以外からの旅行客の誘致はマストかと思います。京都などは一時的には観光公害とまで言われた地元の混乱が、観光過疎といわれるような状況まで陥っています。オーバーツーリズムは、決してここ数年の日本だけで見られた事象ではありません。特定の観光地だけにフォーカスが当たるような事情も大いに関連しています。コロナウイルスの影響で、日本国内のインバウンドツーリズムは当面厳しい状況が続くと思われますが、ただ回復を期待するのではなく、健全なツーリズムについて議論をすべき時かと思われます。