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商業リーシングの常識(4)
引き渡し・明け渡し条件について

店舗物件の賃貸借では、スケルトンといわれる状態で、物件を賃貸し(物件を引き渡す)、テナントが内装を行い、契約終了時には、スケルトン状態に戻す(物件を明け渡す)ことが一般的です。

スケルトン状態に戻すことを、原状回復といいます。原則として、引き渡し状態と明け渡し状態は同一となりますが、実際には異なることもあります。できれば事前に、引き渡し状態と明け渡し状態をきちんと定めておくことが重要です。

・建物を補修した場合

例えば、物件が古く、スケルトン状態から、内装工事を行うために、建物の一部をテナントの費用負担で補修することがあります。この場合、補修前の状態に戻すことは、有益ではないため、補修した状態を原状することが一般的です。

・設備を増強・増設した場合

例えば、電気容量などをテナントの費用負担で増設した場合、今後の賃貸を想定するとオーナーにとっても有益になることから、増設した状態を原状とすることが一般的です。

・前テナントの残置物を利用する場合

例えば、前テナントが設置したエアコンや内階段などの内部造作を引き継ぐ場合は、契約終了時点では、撤去義務をテナントが負うことが一般的です。

実際には、工事区分や貸方基準という形で、引渡の状態、内装工事の責任区分と費用区分と資産区分、原状回復義務についてきちんと定めることが必要です。工事区分を定めず、契約書において、引き渡し状態を単に現状渡し、明け渡し条件を原状に戻すとだけ規定されている場合は、トラブルの原因になりますので、きちんと整理することが必要です。

次回は、工事区分の定め方について、ご説明をいたします。

商業リーシングの常識(3)フリーレントついて

商業リーシングの常識(2)中途解約条項について

商業リーシングの常識(1)賃貸借契約の種別について